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随身が守る巨大な楼門
稲荷駅すぐの鳥居から参道を進むと、目に入ってくるのが鮮やかな朱色の巨大な楼門。
立派な楼門の前は絶好の撮影スポットです。
楼門の左右には弓矢を持った武官、「随身(ずいじん・ずいしん)」がいらっしゃいます。お寺でいう仁王門の仁王像のような役割で、高貴な方を守護するお二方です。


こちらの楼門は国内で最大級の大きさを誇り、国の重要文化財に指定されています。
前身だった楼門は小さく、「応仁の乱」で境内の社殿とともにほぼ燃え尽きてしまいました。
その後約120年間は楼門はなかったということです。
1589(天正17)年かの有名な豊臣秀吉が、母親である「大政所」の病気平癒をここ、伏見稲荷にて祈願しました。当時、大政所はかなり重篤な状態で伏見稲荷大社に願文(がんもん・神仏に願いを立てる内容を記した文書)まで送るほど切実な願いだったようです。
その後、奇跡的に母の体調は奇跡的に回復しはじめ、秀吉は感謝の気持ちを表してこちらの楼門を寄進しました。
楼門の由緒を知るだけで、伏見稲荷大社の大きなご利益が分かりますね。ワクワク。
~前回の記事はこちら~
伏見稲荷大社の見どころ1 稲荷駅から参道・楼門へ
境内の下拝殿・内拝殿・本殿
さて、楼門をくぐると目の前には大きく立派な「外拝殿」が。こちらは国の重要文化財に登録されています。

下拝殿は、祭事の際に神楽を奉納する場として使用されており、普段は誰もおらずもちろん柵の中に入ることもできません。
朱色・黒・金色のコントラストがとても美しく落ち着いた建物です。

楼門から下拝殿、内拝殿、本殿と一直線に続いています。

下拝殿を過ぎると内拝殿の入り口にはまたまた立派な狛狐様が。



この日は早朝だったので、参拝されている方もまだちらほらとしかいませんでした。
日中だと平日でも人でいっぱいの内拝殿。てんぽーさんと2人、御神前でゆっくりと手を合わせ、これから稲荷山に登拝させていただく旨をご報告し、ご挨拶しました。
内拝殿は軒下の唐破風の彫刻がお見事。色鮮やかで、個性的で独特な色合いがとっても美しいですね。
本殿は内拝殿の奥にありますが、参拝者はここまでしか入れません。

祭事の時には下拝殿での神楽奉納となりますが、普段はこちらで神楽が奉納されています。
権殿(ごんでん)は本殿の神様の仮殿

権殿(ごんでん)は、内拝殿から左に進んだ先にあります。
その役割は本殿などを修繕する際にご神体を一時的にお移しするための社で、本殿と同じ五間社(ごけんしゃ)流造(ながれづくり)で建てられています。一時的な仮殿とはいえ、ご神体をお移しされるとても重要な社で、こちらも国の重要文化財に指定されています。

「五間社(ごけんしゃ)」とは、柱と柱の間が5つ存在する造りという意味で、5柱の御祭神が祀られているためこのような造りになっています。ちなみに、権殿は本殿を縮小した同じ造りとなっているため、本殿を直接見ることができない私たち参拝者でも権殿を見ることで本殿の造りを理解することができますね。
「流造(ながれづくり)」は、屋根が前方へ大きく湾曲しながら突き出ている形状のことで、神社ではよく見る様式です。
本殿の御祭神
・宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)
・佐田彦大神(さたひこのおおかみ)
・大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)
・田中大神(たなかのおおかみ)
・四大神(しのおおかみ)
次の記事では
伏見稲荷大社の千本鳥居・奥社奉拝所をご紹介します。