目次
おまめ
てんぽー
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おまめ
どんな願い事もできる朝護孫子寺
朝護孫子寺は奈良県生駒郡に位置する信貴山(しぎさん)の中腹にあります。
ご本尊は毘沙門天王で、「信貴山の毘沙門さん」として庶民にも広く親しまれています。
広大な境内には数多くの建物があり、さまざまな福徳をいただけるとてもありがたく楽しい場所♪
毘沙門天王は七福神の中でも福随一と言われ、商売繁盛、開運招福、心願成就、金運如意の徳を厚く授けてくださる神様です。
また、朝護孫子寺の毘沙門天王は右に吉祥天像、左に善膩師童子像が安置され、父・母・子の絆を大切に、家族円満を願う象徴とされています。
また、朝護孫子寺の毘沙門天王は京都の鞍馬寺、足利の最勝寺と共に日本の三大毘沙門天の一つと言われています。
ワクワクが詰まった楽しいパワースポット
朝護孫子寺のご利益の種類は多岐にわたります。
成福院では如意融通尊、鎮宅霊符神、寅大師、三福神堂等が祀られ「厄難消除」「立身出世」。
千手院では銭亀堂、毘沙門天王、子安観音等が祀られ、「福徳開運」「商売繁盛」「金運招福」。
本堂真下の戒壇めぐりと空鉢護法堂の頂上に祀る竜王の祠では「一願成就」。
虚空蔵堂では虚空蔵菩薩を安置し、「入試合格」「学業成就」。
劔鎧護法堂では「無病息災」「病気全快」。
見ているだけでワクワクしてくるような、多くの神様と福徳!
このように、参拝するとありとあらゆるご利益が授かれるのも庶民に愛され、厚い信仰が寄せられる理由のひとつかもしれませんね。
境内全体をゆっくり回ろうと思うと、数時間はかかります。山の斜面をならして作られたお寺のため、かなりの距離を歩くことにもなりますので歩きやすい靴かスニーカーでの参拝をおすすめします。
朝護孫子寺の歴史
今から1400年前、聖徳太子が物部守屋を討伐するため河内稲村城へ向かう途中、この山にたどり着きました。
太子が戦勝祈願をすると、天空に毘沙門天王が現れ必勝の秘法を授かったそうです。
見事勝利した太子は毘沙門天王を彫刻し、伽藍を建て
信ずべし貴ぶべき山=「信貴山」と名付けました。
毘沙門天王の現れたときが寅年、寅日、寅の刻であったため、寅に縁のある神様として信仰されるようになりました。
約300年後、醍醐天皇がご病気になったため勅命により命蓮上人(みょうれんしょうにん)が毘沙門天王に病気平癒祈願をしたところ、たちどころに天皇の病気が癒えました。
その結果、朝廟安穏・守護国土・子孫長久の祈願所として「朝護孫子寺」の勅号を賜ったということです。
朝護孫子寺の駐車場
駐車場は境内の南側に位置します。

※境内図は朝護孫子寺の公式HPよりお借りしました http://www.sigisan.or.jp/



こちらは駐車場にある白虎。
中国の伝説の神獣で、東西南北の守護のうち西を守護するのが白虎です。
奈良の平城遷都1300年祭で、こちらの信貴山が白虎の位置付けとされました。


近くに行ってみるとなかなかの迫力です。

駐車場の鳥居の扁額(へんがく)には「多聞天」と記されています。珍しいですよね~。
多聞天は四天王での毘沙門天の呼び名。
「ここは毘沙門天王のお寺ですよ!」と入り口からアピール。

鳥居をくぐるとさっそく上り坂です。
境内はアップダウンが激しいですので、ここで覚悟を決めてから境内に入っていきましょう!
坂道を上がるとすぐに「iセンター」という信貴山の観光案内センターがあります。お土産や喫茶軽食コーナーも。

イノシシも出るそうです(汗)
iセンターの向こう側には開運橋がかかっています。


なんだか賑やかな音楽が流れているので、気になって橋を渡ることに。

なんと、橋の真ん中ではバンジージャンプをしていました!

多くの見物客が見守る中・・・

ポップな音楽に乗って次々とジャンプする猛者たち!山に響き渡る悲鳴!!
見てるだけで怖すぎます(震)

こちらは開運橋から見る信貴大橋。
山の緑と橋の朱色、水面に映る橋、美しいですね~♪

そして反対側には信貴山観光ホテルが。山の上の立地でお部屋からの景色がいいでしょうね。
開運橋の向こう側にも駐車場がありました。
さてこのバンジージャンプ。
歴史の古い由緒あるお寺と雄大な山々の中、若者向けの音楽が橋から鳴り響き、たくさんの若者(そんなに若くない人も)が楽しそうにジャンプしています。
聞くところによると、神聖な祈りの山にふさわしくないとバンジーには反対意見もあるそうです。
個人的には、若い世代がこのような場所に楽しみを持って足を運ぶのはとてもいいことだと感じました。
バンジージャンプのついでにお寺を観光してみようかな、と中に入る人たちも多くいると思います。
どんな動機であれ、これまで全く興味のなかった人たちが歴史ある素晴らしいパワースポット、祈りの場に行く機会ができるのは喜ばしいことではないでしょうか。
音楽やバンジージャンプといった、お寺には関係のない文化が賛否両論を呼ぶことは必至だと感じますが、結果的にこの素晴らしい信貴山がより栄え、朝護孫子寺を素敵な場所だと感じて参拝に訪れる人が増えるきっかけになれば万々歳だな、なんてことを思いながら境内へと戻りました。

とにかく境内が広く、どこから行けばいいのか迷ってしまいます。
こうやって至るところで道案内をしてくれますので、地図を見ながら効率よく参拝できるので助かります。
まずは毘沙門天さまにご挨拶のため、本堂に進みます。

境内を歩いていると、たくさんの植物が癒やしをくれます。



開運橋の賑やかさとはうってかわって、境内に入ると静かで自然豊かな参道に心が静まります。

しばらく進むと有名な張り子の虎が。「世界一福徳」と呼ばれる長さ6mの大寅です。
張子の寅は「よく首が回る」つまり、何事にも不自由しないというご利益があると言われています。

小さめのかわいい寅たちが赤門の手前にも。

美しく鮮やかな朱色の赤門。
こちらをくぐるとすぐ右手に授与所がありました。
途中、たくさんのお堂に目移りしますが、まずは本堂へと進みます。

参道には至るところにのぼりがはためいています。
たくさんの緑の中に真っ赤なのぼりが美しい♪

本堂前にも親子の寅が。こちらはなぜかオリに入っていますね。

こちらが本堂へと登る階段です。



木彫りの文字がかっこいい~♪

階段を登りきると毘沙門天王の説明書きが。

いつもこのガラス張りの台には美しいお花が行けられています。
そのまままっすぐ進むと本堂の舞台に出ます。
急に視界が開け、大和平野が一望できる素晴らしい景色が広がります。


お正月にはここからご来光も見られるそうです。

これまで通ってきた道があんなに遠くに!

さて、本堂にご挨拶に伺います。
中は撮影禁止でしたので画像はありませんが、座敷に上がることができますので、座ってゆっくりと手を合わせることができます。
本堂の真下は「戒壇めぐり」ができるようになっています。
心願成就を祈る修行の道場で、暗闇の回廊になっており約5分間でお詣りができます。
この場所の由来ですが、今から約800年前、和歌山の根来寺を創建された覚鑁上人が信貴山に籠もって修行されたとき、毘沙門天王のお告げにより「如意宝珠」を納めたと云われています。
真っ暗闇の中を壁伝いに歩くと灯明の場所が見えてきます。こちらに十二支生まれ年の守り本尊、千手観音や阿弥陀如来など八体の仏像がお祀りしています。
ここでご自身の守り本尊に祈願します。
そのまましばらく進むと大きな鉄の錠前が掛かっています。これに触れると如意宝珠に触れたと同じ功徳が与えられると伝えられ、一願成就のご利益が授かれるそうです。
朝護孫子寺の御朱印




広い境内のいたるところで御朱印をいただけますが、今回はこちらの4枚をいただきました。
虚空蔵菩薩さま



本堂下には虚空蔵堂がありました。「知恵を授かる仏さま」と信仰される虚空蔵菩薩が祀られています。
境内にある宿坊「玉蔵院」でランチ
さて、今回は境内に3箇所ある宿坊のうち「玉蔵院」で精進料理のランチをいただきました。

こちらが玉蔵院に入る入口への階段です。

石灯籠の苔むした感じ、歴史を感じますね♪
こういう何気ない静にたたずむパーツに惹かれ、ついカメラを向けてしまいます。

玉蔵院の門をくぐると、とても手入れの行き届いた小さなお庭が出迎えてくれます。
予約なしでしたが、ランチを申し込むとすぐに準備をしますとのことで、しばらくの待ち時間です。

ん?浴油堂・・・ 「秘宝」という文字が気になります。

玉蔵院の中にもお堂がありました。カメラを向けると・・・

陽の光が差し込んで、なんとも神々しい素敵な写真が撮れました♪


とてもご利益がありそうなお堂です。
「特別のお願い」「秘法中の秘法」・・・他とはちょっと違う「特別感」溢れる祈りの場、という独特の雰囲気です。
朝護孫子寺に参拝される際には、ぜひこちらの浴油堂にも足を運んでみてください。
浴油堂をゆっくり見ていると、玉蔵院のランチの準備が整ったようです。
さっそく、宿坊内へと案内していただきます。

きれいに掃除され、内部もまるで高級旅館のような豪華で美しい宿坊です。入り口ではかわいい河童がお出迎えしてくれました♪

しかもランチは贅沢にお部屋食!
お坊さんが部屋まで案内してくれます。ありがたや~

窓の形も可愛らしいですね。

渡り廊下から見える景色は朝護孫子寺の境内。
さっき歩いてきた道やな~なんて、なんだかウキウキ楽しい気持ちになります。

風流な風鈴が下がっています。
お部屋に通されると、すぐにお料理が運ばれてきました。

今回注文したのは精進料理。お値段3000円。
一品一品丁寧に繊細に作られたのがわかる、どれもこれもが一流の味で感動しました!
精進料理といえど、なんともボリューム満点でお味も満点!静かなお部屋で美味しいお料理をゆっくりといただき、本当~~に大満足でした。
精進料理だけでなく、3000円と5000円の会席料理も用意されているそうです。
次の参拝時には会席料理を食べよう!と、てんぽーさんと固く誓い、宿坊をあとにしました。


こちらは玉蔵院の有名な日本一大地蔵尊と融通道。
地蔵尊は総丈14.54メートルのとても大きなお地蔵様で、本堂の舞台からも見て取れます。


「一億円をくわえた寅」も玉蔵院隣にありました。
空鉢護法堂
さて、お腹もいっぱいになったところで次は難陀竜王を祀る空鉢護法堂へレッツゴー!


現在はコロナ感染予防のため実施されていませんが、普段は本堂下の手水舎にポットが置かれ、そこで汲んだ水を頂上の空鉢護法堂にお供えするそうです。
今回は手ぶらで頂上目指してミニ登山です。


こちらが最初の鳥居です。
この鳥居の向かい側には「行者堂」があり、修験道の開祖、役行者が祀られていました。

「無事に登り、ちょっとだけでも修行になりますように」と役行者さまにお願いしてから空鉢護法堂へと進みます。

右に左にと赤い手すりが登っていく様子が見えますでしょうか?

それなりの距離を登りますが、途中こんなふうに「ここまで来ましたよ~」という表示をしてくれています。


途中、ちょっとした休憩所もありました。
頂上まであともうちょっと!



こちらは「星祭り本尊」と呼ばれています。
こちらの裏手に、歴史好きには有名な松永久秀の山城跡、「信貴山城址」の碑がひっそりとありました。
戦国時代、裏切りを繰り返し最終的には織田信長に敗れ、自身が保有する大切な茶器とともに自害(爆死?)したとされ、戦国時代の超悪役として描かれることが多い松永久秀。
そんな彼の物語に後世での創作がどの程度あるのかは分かりませんが、そんな超個性的な人物の城跡なんですね。

さらに上ると、空鉢護法堂に到着。
頂上からの眺めも最高!約20分のミニ登山で心地よく汗ばんだ体に山頂の爽やかな風がすごーく気持ちいいです。


こちらは本堂前の白蛇の石像。迫力ありますね~

こちらが本堂の中です。
狭いですが、上がってお参りすることができます。
成福院の融通さん
3つの宿坊のうちの一つ、成福院は「祈祷」と「宿坊」がメイン。
そして、後嵯峨天皇の念持佛「如意宝珠(如意融通宝生尊)」が祀られています。
融通尊とは福徳・開運・金運・良縁等々すべてのことを意の如く、心のままに必ず叶えて下さるというとってもありがたい仏様。


この日はカルタ大会が開かれていたようです。


細部にまで「福」の文字が。なんだか可愛らしいです。



大黒天さまに合格祈願のお地蔵さま、七福神などたくさんの仏様が祀られています。



「ひょうたんから駒」のごとくよいご利益を
と書かれた融通ひょうたんです。お願い事は一願をひょうたんに書き、融通さまに一心に願いを込めて自宅に持ち帰るそうです。
ここに吊るされているたくさんのひょうたんは願いがかなった後の、お礼の「成就駒」です。
鮮やかなオレンジ色のひょうたんが数多く吊るされ、成福院の中はとっても華やか!
ここでも3000円からランチが食べられるようです。

お堂の右側には弘法大師が祀られ、その先にはお砂踏みができる通路がありました。一つ一つの石版に四国八十八ヶ所のお寺の名前が刻まれています。


お砂踏み通路の先にはこちらのお堂がありました。
弁財天、大黒天、恵美酒大神と扁額にかかれていますね。

金と銀の狛犬ならぬ、狛虎がお堂を守っています。
こちらの右隣には三宝堂が。

お不動様も祀られています。
「銭亀堂」で有名な千手院
こちらの宿坊、千手院は信貴山での最古のお寺で住職の住むところとされていました。
江戸時代からのお部屋には、美しいふすま絵が当時のまま使用されています。



千手院の中にもたくさんのお堂と仏様が祀られ、厚く信仰されています。
時間帯にもよりますが、ひっきりなしに参拝者が訪れています。



下の世話にならないという石もありました。
石の周りには可愛らしいお花がたくさん植えられ、癒やしの空間でした♪


テレビでも紹介されたという「虎の胎内くぐり」。
ちょっとしたアトラクションのようでこちらも楽しめます。
また、銭亀善神を祀る「銭亀堂」は日本で唯一なんだとか。
金運招福の神様であるため、お願いをするときには授与所で販売されている金運招福銭亀御守と壱億円札をセットで購入します。
このセットと自分の財布を堂内の石臼に乗せて時計回しにまわしながらお願い事をすると、「お金の周りがよくなる」ご利益があるそうです。

毎日護摩焚きが行われる護摩堂です。


開山堂


開山堂は世界一福寅の手前を左に上っていくとたどり着きます。



開山堂は聖徳太子、弘法大師、命蓮上人、歓算上人、四国八十八ヶ所ご本尊をお祀りしているお堂です。
さほど大きくないお堂ですが、とても人懐っこいお元気な女性がしっかりと案内をしてくださいました。この方、かなり弁の立つ方でユーモアたっぷりに色々な経験談を交えて開山堂の説明をしてくださいます。


こんな手書きの説明書きも。
お堂の中に入ってみるとびっくり。
これまで見たこともないような、迫力たっぷりの仏様の数々!

これらすべての仏様は四国八十八か所のご本尊だそうです。
天井に届く高さにまで仏様がおられ、一番上のモコモコは雲を表しているそうです。
素晴らしく心地の良い圧倒感です。仏像好きにはたまらないですね~





そしてこの仏様をぐるっと囲むように、床に四国八十八か所のお砂が埋め込まれており、お砂踏みができるようになっています。

とってもありがたいですね~

こちらは開運・厄除けローソクです。
ローソクを水に浮かべ、火を灯すのにはちょっとしたコツが必要で、こちらも案内の女性が丁寧に教えてくださいます。
実はこの開山堂だけで1時間過ごしてしまいました(笑)
写真をとったり、きっちりお砂踏みをしたり、案内の方とおしゃべりをしているとあっという間に時間が過ぎていました。
とにかく、この仏像群は一見の価値あり!朝護孫子寺に参拝された際にはぜひ足を運んでいただきたいオススメの場所です。
剱鎧護法堂(けんがいごほうどう)


「剱鎧護法堂」は本堂へと進む道とは逆を行く、山を一旦下る方向に位置しているため、見落としてしまいがちな場所にあります。
私も初めての参拝の際にはその存在に気づいておらず、素通りしていました。
けれど、素通りしてしまうにはとてももったいない、ありがたくパワーの強い場所です。

最初の鳥居をくぐるとずっと鳥居が続いています。
厚く信仰している人が多い証拠ですね。
毘沙門天王を信仰する人には、八大龍王の上首・難陀竜王(なんだりゅうおう)と人間を災厄から守護する護法・剱鎧童子(けんがいどうじ)が守護をすると言われており、剱鎧護法堂は剱鎧童子を祀るお堂です。



醍醐天皇の時代、天皇が重病にかかった際に命蓮上人が加持祈祷を行うと現れたのが剱鎧童子。
童子が天皇の枕元に出現し、霊感を授けるとたちまち病が治ったことから「病気平癒」「無病息災」のご本尊としてこちらで祀られるようになったそうです。

なんとも言えない静かで神聖な雰囲気のお堂。
ご自身や大切な人の健康をお祈りしたいですね。
仁王門と千体地蔵




こちらは駐車場の東に位置する仁王門。
大きな木々に囲まれ歴史を感じるどっしり感と、魔を寄せ付けない形相の仁王像。ほんとお顔が怖いです。

圧巻の千体地蔵さま。静かな祈りの場所です。
朝護孫子寺のお土産


朝護孫子寺では、開運橋の横で「寅まんじゅう」や「草餅」のできたてアツアツが食べられます♪美味しいおみやげも参拝の楽しみの一つ。
本当にできたてですごく熱いので、火傷しないようお気をつけて召し上がってください♪