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美しいあじさいで有名な長弓寺。
奈良県生駒市にある真言律宗の寺院で、高僧「行基」が聖武天皇の勅願にて開山したと伝わっています。
満開のあじさいには少し早い6月初旬に伺いましたが、あちこちで開花しはじめ、みずみずしいあじさいの花が楽しめました。
また、長弓寺は大和十三佛霊場の第9番、勢至菩薩を祀っています。
長弓寺の駐車場からあじさいを楽しめる
県道7号線からすぐ見える「伊弉諾神社」の大きな鳥居をくぐり、まっすぐ進むと右手に駐車場が見えてきます。あまり広いスペースはないので、あっという間に満車になっていました。
鳥居を過ぎたあたりからもうすでにあじさいの花が並んでいます。
来た道を振り返ってパシャリ。のどかな田園風景です。
こちらの道を進むとお寺から離れますが、朝早い時間でもウォーキングする人やお寺への参拝者の方が多く歩いていらっしゃいました。
雨上がりの早朝だったので、木々や雨、土の香りが立ちのぼるすがすがしい空気です。
さて、それでは歩いてきたハイキングコースを戻り、蓮池を通って本堂へご挨拶に行きます。
参道を進むと左手にまたまた小さな池が。こちらは「亀池」といいます。
本堂拝観には予約が必要
現在、長弓寺の塔頭は薬師院、円生院、法華院、宝光院(宝光院は無住)の4つがあります。長弓寺本堂には住職がいない為、これらの塔頭が代わり番で本堂の世話を務めているということでした。本堂拝観には事前予約が必要だったので、残念ながら今回は本堂拝観はできませんでした。正月三が日は無料で予約不要での拝観ができるそうです。
また、こちらの長弓寺は最盛期には20もの塔頭があったんだとか!地域の人たちに広く信仰されていたんですね。
本堂は国宝に指定される名刹です。反り返った屋根、軒反り(のきぞり)のカーブがなんとも美しいですね。
創建は奈良時代。
728年、小野真弓長弓(おののまゆみたけゆみ)とその養子の長麿(ながまろ)は、若い聖武天皇に従いこの場所へたびたび狩猟に来ていました。
ある時、森から不思議な鳥が飛び立つのを見て長麿は矢を放ちます。その矢は不幸にも父、長弓に当たり命を落とします。深く悲しんだ聖武天皇は高僧であった行基に命じ、この地に小さなお堂を建て、十一面観音をお祀りしたと伝わっています。
こちらの鐘楼は参拝者も撞くことができたので、ありがたくゴーンと撞かせていただきました。
鐘楼の音は体についた悪いもののお祓いもできるそうです。
境内に響く鐘の音に心も体も洗っていただきました。
本堂左手にある大師堂には弘法大師空海、大黒天、勢至菩薩、不動明王立像が安置されていました。
長弓寺の鎮守・伊弉諾(いざなぎ)神社
こちらの伊弉諾神社ですが、神仏分離以前は「牛頭天王社」と呼ばれていたそうです。寺伝では聖武天皇が長弓寺の鎮守として建てさせたものなんだとか。
こちらの伊弉諾神社を参拝していると、3人の家族連れがこられ、お父さんが一生懸命小さな女の子に参拝方法を教えていました。
神様を敬う気持ちを持ってほしいというお父さんの気持ちがひしひしと伝わる内容・・・。
「分かる分かる~」と心の中でこのお父さんに共感しながら何気なく見ていると、女の子はほとんど聞いておらず、すごーく楽しそうに鈴をガランガラン♪♪と力いっぱい鳴らしています。
お父さんは周囲をちらっと見渡すと、必死でたしなめています。
無邪気な女の子がとにかく可愛らしくて、ものすごーくほっこりする光景でした。思わずニコニコ笑ってじーっと見てしまいました。
幼い頃はいまいちピンとこないかもしれないですが、お父さんの信仰心はいつか大人になった彼女にきっと伝わるでしょうね。
円生院は寺子屋を運営するオープンで活動的なお寺
ご本尊は不動明王様。隣接する護摩堂にお祀りされていました。
こちらの手水の龍神様、とってもかっこいいんです!今にも動き出しそうな躍動感のあるお姿、お顔もイケメンだと思いませんか?思わず近寄ってパシャリ。
こちらの手水には「金剛水」との説明書きがありました。
水には洗浄の徳があり香には遍照法界の徳があります。心身に本性清浄な香と大悲の金剛水を注げば、垢や穢れを除き浄めます。
ここに流れる水は十一面観音さまの足元に湧く自然水で、お不動様御宝前にて香を加えてお加持をした金剛水です。
どうぞ金剛水で心と身を清め、お不動様にご参拝ください
円生院 説明書きより
お加持をした金剛水が手水!
ありがたくお清めさせていただきました。
円生院ではヨガや音楽祭、寺子屋などさまざまな活動をされています。
5名~完全予約制で精進料理もいただけるそうです。
地域サロンや精進料理「斎(とき)」を用意 薬師院
薬師院のご本尊は阿弥陀如来様。
こちらも入り口から緑に覆われとても美しい。
薬師院でも精進料理「斎(とき)」をいただくことができます。
こちらも5名~3日前までの完全予約制ということでした。
薬師院サロンでは歌やコンサートなどさまざまなイベントを開き、地域に開かれたお寺となっています。
愛染明王を祀る法華院は宿坊も開放
法華院ではご本尊に愛染明王をお祀りし、良縁成就、家内安全、商売繁盛、交通安全などの御祈祷を行っています。
さくら、あじさい、しょうぶのほかにもさまざまなお花が大切に育てられています。
法華院は、ごま豆腐・生麩料理を味わう華麩(かふ)料理が特徴。
吉野葛と練ごまを使い、すべてを手作りしたごま豆腐。生麩のお造り、あわ麩の田楽、生麩の笹まんじゅうなど趣向をこらした精進料理です。すべての席を個室にしてくれるということで、ふすまで区切られたプライベート空間を確保してもらえるそうです。
2名~2日前までの完全予約制です。宿坊への宿泊も可能。
住職のいない宝光院地蔵堂
宝光院は、長弓寺の山門を入ってすぐの参道沿いに建てられたお寺。住職はおらずひっそりとしていましたが、手入れが行き届いておりあじさいが美しく咲き誇っていました。
地蔵堂には地蔵菩薩、阿弥陀如来、不動明王、弘法大師が祀られています。
御朱印は各寺院でさまざまな種類をいただける
今回わたしたちは薬師院で御朱印を拝受しましたが、各塔頭寺院でそれぞれの御本尊の御朱印など多くの種類が用意されていました。
長弓寺はあじさいで有名ですが、初夏には蓮の花も楽しめ、各塔頭寺院も美しく整備されていますので見どころはたくさんあります。
次回参拝するときには、ぜひ事前に予約をして本堂や各寺院のご本尊にお会いしたいと思います。
長弓寺に近いおすすめの宿
長弓寺の近くで宿泊するなら「奈良パークホテル」がおすすめ。
建物に少し古さは感じるものの、掃除が行き届いており職員の対応も良く気持ちよくステイできると高評価。
夕食はボリューム満点で季節の食材がふんだんに取り入れられ、どれも美味しいとかなり評価が高いです。
朝食も茶粥や沸騰させた湯豆腐など、朝からとても大満足というレビュー多数。
コスパが良いと感じるユーザーが多いことから、サービスの質の高さがうかがえます。